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ウンチク野外学
第1回
糸紡ぎ
糸紡ぎ
  たそがれ時の丘に、のんびり草をはむ羊の群れ。東京ドームが八個も入る士別市めん羊牧場の夕景はとてもすてきです。そこに暮らすめん羊は、顔の黒いサフォーク種が四百五十頭。羊を見ていつも思っていたのが、なぜかセーターでした。「編みたいなあ、自分だけのセーターを」と。
  ところが、難しいと思っていた手紡(つむ)ぎセーターが思いがけず実現しました。その足跡と、洗毛、染色、紡ぎから手編みまで紹介しましょう。
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  士別の青年有志が、町おこしで結成したサフォーク研究会。その会が六年前、紡ぎのセミナーを開きました。早速、申し込んだところ定員二十人を軽く超える応募があったそうです。同じ思いの人が大勢いたのですね。その仲間が受講後、サークルを作りました。紡ぎ車がくるくると回るので、「くるるん会」と名付けました。
  さて、お話ばかりでは編めません。それでは最初の洗毛から。まず、刈り取った羊毛を広げます。ふんや汚れがついてちょっと汚いと思うかもしれませんね。汚れ、毛足の短い部分、粗くて硬い部分を取り除きます。ですから一頭分から取れるのはセーターであれば一着ほど。
  予洗い、本洗い、すすぎ。においと汚れが強烈なので室内の作業はためらわれます。私たちは作業場で、サフォーク農家の人たちは川で洗うそうです。
  一頭から三、四キロの毛が得られます。湯加減や洗剤で毛に残る油分を調節できます。洗い終わると重さは半分ほど。私たちは漂白剤などが入っていない中性洗剤を使い、油分が抜けた軽い仕上がりが特徴です。しかし、あまり抜きすぎると色つやがなくなるのでご用心下さい。
  羊は、春に毛刈りするので、この作業は初夏のころです。ふんと油の混じった独特のにおいをかいで、また一年がたったのかと感慨にふけるのです。
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